第2話 其の四のB[揃った9人目]
男は捕まった。
しかし少年は家族を失った。
最も信頼できるものを失い、少年は一人なった…
『死』と言う逃げ道が欲しかった…
少年は…歩道橋から身を投げた…
また彼女にあった。
彼女はグラウンドでローラとキャッチボールをしていた。
恋恋高校のユニフォームを着て。
「ヤキュウ部のシンメンバーネ!」
ローラが僕にそう言う。
「宜しくお願いします」
葉桜さんもぺこりと頭をさげた。
「カノジョヤキュウのクラブにショゾクシテタラシイネ」
それは意外だ。
しかしよく見ると腕の筋肉も普通の女の子よりも発達している。
「僕の悲しみとやらを知る為に野球部に入ったのかい?」
「いいえ、そんなことはありません…しかし」
彼女の目が強い目になる。
「私はあなたを救えると信じています」
少年は空中で止まっていた。
いや歩道橋の中から伸びてきた手に落下を防がれていた。
「お前…死ぬのがカッコいいと思ってんのか?」
「ほっといてくれ!君に何が分かる!?」
「何にもわかんねえよ…だけどな…死ぬより生きたほうが何かと徳だろ?」
早乙女は助けてくれた少年に強さを感じていた。
何事にもめげない強さを…
少年の名は丸岩という…