05――――限界
パン…
城所はホームベースを踏んだ。
しかし歓声が挙がることは無くむしろ…
『不信感』が立ち込めていた。
浦和「お前…なんでこの学校に来たんだ?」
そう、普通一打席目で弱小校とはいえでもエースの得意球を打ったのだ。
そんな奴が何故この学校に来たのか…
一同は城所を不審な目で見るしかなかった…
城所「………」
そして対する城所も説明の仕様が無かった。
志田「…別にいじゃないっすか?」
浦和「だけどスパイとか…」
志田「ウチの学校偵察とかするほど強かったでしたっけ?」
一同「あっ…」
そんな状況でかばったのは志田だった。
一同は志田の発言によって不信感の無意味さを感じた。
宮田「…ってか、むしろ喜ぶべきなんじゃねーか?」
浦和「そーいやそーだな、もししたら…聖地甲子園が?」
部員一同は少しのタメを作り…
一同「ワアアアァァァァーーーーッ!!!!!!」
城所「まぁ近いから来ただけなんですけどね…」
一同「ワアアアァァァァァーーッ……」
違う効果音になっているのが分かれは幸いだが…
前者は歓声後者は驚きのトーンダウンである。
城所はベンチに腰を掛けた。
志田「あのよぉ、さっきは悪かった…」
城所「…あっ?」
志田「例えお前がどんな過去を持っていたとしてもどんな秘密を隠していたとしても…俺はお前の『ダチ』だからな…」
照れくさそうに頬を人差し指で欠く志田。
正直恥ずかしい台詞だがこーいう事を素直に言える辺りが志田の良い所なのかも知れない。
城所「……柄にもねーことーゆーな……」
ボソッと呟いた城所…
志田「あっ、聞こえねーよ?」
城所「二度といわねぇー!」
こんな素直じゃないところも城所の良い所なのかも知れない…
話は試合に戻る。
黒井は4番5番を動揺せずに打ち取り一回を二失点で切り抜けた、さすが腐っててもエース。
そして2年&3年の攻撃に移る。
二回援護点を貰らった志田は4番只野にスリベースヒットを打たれるが5番武山の当たりを城所がノーバウンドで捕り三塁に送球して二死。
6番石堂もライトの石竹谷(いしたけだに)のダイビングキャッチによりアウトでチェンジに…
調子が出てきた黒井も三者凡退で二回を完璧に抑えた。
三回…早くも2年&3年打線は志田を捉えた。
カキィィィイン!
カキィィィィィィン!!
7番8番に連続のライト前ヒットを喰らい無死一二塁
打席には投手の黒井…
志田「はぁはぁ…くっそーーー!!」
捕手の浦和が出したサインは外角低めのカーブだった…が
黒井「…もらった」
ちいさく呟いた黒井が出したバットのコースはど真ん中だった。
カーン!!
聞こえたのはその音だけだった。
しかし芯より5cmは外れたが…打球は…
宮野「アイツに『ど真ん中』だけは投げちゃいけないな、ウチで1番の怪力ヒッターだからな」
ポールの1番先端に直撃していった。
その後志田はスタミナ切れからのコントロールが定まらなくなる。
甘いコースにボールがいき怒涛の8連打を浴び8点を失った。
バシイイイイィィ!
審判「アウトー!」
真正面のライナーボールを捕球した赤丸の目に映ったのは…
三回にして84球を投げマウンドに倒れこんでいた志田の姿だった。
赤丸「志田君ーー!!」
三回の表終了、先2ー8後